伊野尾慧という貴族
続々とヲタクたちの手元へ届き順調に様々な面で話題となっているあのDVD。そう、JUMPartyのことである。
私は残念ながら当選していないので実物を見てはいないのだが、今回その中でアーチェリーに挑戦しているらしい。そしてそこで我らが絶対エース、および山田涼介皇子のひとつの発言が私の胸をざわめかせた。
「伊野尾ちゃんがあの格好でアーチェリー持つと貴族の遊びだよね。庭でアーチェリーやってる感じ。」
貴族…!遊び…!庭でアーチェリー…!そう、私は伊野尾くんの持つロイヤル感が身を焦がす程好き。王子様やおとぎ話をコンセプトに作られたキミアトやChau♯の衣装は、もちろんどのメンバーも似合っているし可愛いけれど、伊野尾くんだけは可愛いとかの次元ではなくて「ふ、普段着…!?」と思うくらいしっくりきていると感動したものである。
けど王子様ではない。伊野尾くんは圧倒的な貴族。王族ではなくて貴族なのである。国がどうとかお世継ぎがどうとかそんな争いになんて興味がなくて、毎日気分や自然に気ままに流されて遊び呆けたり、渋々ながらお稽古事に向かったり…そんな楽しくて退屈な時間を過ごす優雅で怠惰で窮屈な貴族なのである。
そう考えてみればピアノが弾けることはきっとその渋々やってきたお稽古の賜物かもしれないし、反対に猫背や足を開いて座る点は窮屈で怠惰なお稽古事から解放されている安心感があるからなのかもしれない。
バイオリンやピアノ、語学、マナー、そして勉学…私の乏しいイメージだとそれくらいしかわかないが、きっとそれぞれ家庭教師がついてしっかりと英才教育を受けてきたんだろう。たまに舞踏祭に連れていかれるとこっそり親からはぐれて王族の山田くんや知念くんと落ち合って、「お前らほどじゃないけどさ、勉強して芸事身につけて…こういう生活ってなんか…つまんない」とか漏らしたりするのだろうか。
でも根は真面目だからなんとなく流されていって、いつの間にか将来を考えるようになって、気がつけば同じように宙ぶらりんだった王族の山田くんは即位直前で戴冠式の日程が決まったりして。もうこっそり会えるような人ではなくなってしまってお祝いのパーティーでお目通りしたら「つまんないなら楽しくしなよ」とか言われたりして余計焦ったりするのかな。気持ちを落ち着かせるためにひたすら気が狂ったようにピアノを弾いたり。暗くておもーいショパンの曲とかが1日中響いてくる伊野尾くんのお部屋をメイドさんたちが心配してドアをノックしても、へらへら笑って「大丈夫だよ」って言うのかな。
何日かしてすっきりして部屋から出てきて「アイドルになろう」「建築やろう」とかって決意したのかもしれない。
それってめちゃくちゃ面白いなって思って、わりと世襲制じゃなくてもいいなって思ってた知念くんのとこの親御さんをさらりと説得して知念くんを仲間に入れて、伊野尾くん以上に気が滅入ってた山田王様を半ば拉致するみたいに城からさらって、毎日に退屈してた伊野尾くんはアイドルとして輝き始めたのかもしれない。
だとしたら伊野尾くんの過去とか辛かったことを話さないスタンスとか、いつだってへらへらと笑うところとか、ひとつひとつが尚更愛おしいと思う。
自由に思いのままに駆けずり回って活躍する伊野尾くんの姿は尊い。お手振りにロイヤル感が出てしまったり、自分を知らない人から「ダニエル」というイメージを抱かれたり、かつては嫌だったのにあふれでてしまう貴族っぽさを武器として戦う伊野尾くんって切なくて強い。
一家、一国の中で貴族として歩んでいたかもしれない伊野尾くんがこんなに努力して私達のいる世界に来てくれたのだとしたら、もう応援する、敬うという選択肢以外持てるわけがないと思う。
…まあ全部妄想の生い立ちですけど(笑)